静岡市議会議員伊東としひろ
ニュース
彰往考来
活動記録
メディア記録
プロフィール
大谷の里
著書紹介
御意見
現在までの主な活動記録 トップページに戻る

大谷川千本桜の植裁

大谷川・千本桜と公害問題

「大谷川放水路」の両岸については地元の大谷川対策委員会から緑樹帯にするようにとの申し入れが提示されておりました。この申し入れに対し、県土木事務所の対応は、常緑樹に絞って植栽することを考えていたのです。

その理由の主なる一つに、落葉樹では静岡漁業協同組合からの漁業補償問題が提起されているときでもあるので、これ以上静岡漁業協同組合を刺激したくないということであったのです。

そうした判断から、護岸工事が完成した水上一号橋(南中学校通学路)までは、椿が植えられたのです。

昔の河川の堤には、たんぽぽ・よもぎ・つくし等がいっぱい生え、土手をよく遊んだ思い出があります。現在は味もソッケもない冷たいコンクリートの直壁方式で河川の設計・改修工事がなされてしまっているのです。

それだけに、大谷川放水路の姿や形をつめたいコンクリートに代えられても、先人たちが護り抜いてきた旧大谷川のふる里風情と川に対する愛着心を、大谷川放水路の右岸・左岸の遊歩道に少しでも移し替えられることができればと思っていた矢先、小川忠孝氏から桜の苗木の寄付申し入れがあったのです。

桜の名所は市内にも数多くあります。
しかし、日本平・浅間神社・駿府公園でも千本の桜の木はありません。
それだけに大谷川千本櫻を放水路の両岸に植栽できればと小川忠孝氏からの申し入れを先ずは地元の大谷川対策委員会に計っていただいたところ、アメリカシロヒトリの害虫問題や、桜の葉の茂みが稲に及ぼす日影の問題について、一部の人から心配されたが、結論としては桜の植栽は良かろうとの答えが返ってきたのです。

地元、大谷川対策委員会の意向をうけて、静岡市の巴川総合治水対策室と公園緑地課に、桜の苗木千本の寄付行為を受け入れることと、植栽された後の千本の桜の木の維持管理について対応を求めたのです。

ところが河川管理者である県土木事務所では、当時の所長がどうしても首をたてに振らないという返事であったのです。その理由は、「静岡漁業協同組合を刺激するようなことは許可出来ない、もしこの問題が解決された後であれば考えようもある。」というものでした。このような役人的発想に対し、地元住民は激し噴りを感じたのです。

大谷川放水路の用地買収も終わり、巴川の水を流す放水路が完成すれば、役人としての初期の目的である責任を果たすことが出来ます。
桜の木を寄付しようとする人の心や旧大谷川に懐(いだ)いていた大谷村の心がどうのこうのは、治水計画には、直接関係のある話ではないんだという判断であったかも知れません。

それは、桜の苗木を寄付しようとして下さる小川忠孝氏の善意や、大谷川放水路のコンクリートがもつ冷たい性質を少しでも柔らげたい地元住民の気持ちを踏みにじるばかりではなく、それ以上に静岡漁業協同組合の陳情の趣旨が、大谷川放水路の通水に対しあたかも言い掛かりをつけているかのような受け取り方でしか理解されていなかったからではないのでしょうか。

静岡漁業協同組合の陳情趣旨は、河川の汚水から発生している公害が、シラス漁に与える問題であったはずです。海からの風向きは、南西からの風が強いのです。

西大谷・東大谷の各屋敷の植木は、洋光台団地・駿河台団地までも含めて、南西に位置する植木はすべてが公害で駄目になってしまうのです。
その現象は安倍川以西(下川原・広野方面)の海岸の松並木は比較的枯れていないのに、安倍川以東(浜川以東〜大谷川以東)の三区分の松並木をみれば一目瞭然です。
大谷川以東の西大谷・東大谷は、昭和30年代までは松並木が繁っていたのに、現在は全く丸坊主なのです。それに比べて、大谷川河口南西からの風をうけない高松から敷地にかけては、大谷のように丸坊主ではなく、多少なりとも松並木が残っているのです。そして、大谷川河口、浜川河口南西からの風をうけていない大浜公園周辺は高松・敷地以上に松並木が残っております。
それらの地域に比べれば、浜川、大谷川河口からの風の影響をうけない安倍川以西の下川原、広野海岸の松並木はほとんど健在であります。

この河川の汚水公害が、現在の大谷川河口から排出されているわずかな水量でも大きな被害をもたらしているのだから、その4倍から5倍に膨れるであろう大谷川放水路の汚水公害が大変心配だということであり、桜の葉(落葉樹)が直接に、どうのこうのといっている問題とは本質的に違っていたはずです。

桜の苗木の植栽時期(植える時期は二月頃まで)を気にしながらこうした問題について県土木事務所と交渉の結果、しぶしぶ許可が下され、小川忠孝氏の千本桜の根を大谷川の右岸、左岸に生やすことが出来たのです。
早朝・夕暮れには散歩道として多くの人に利用され始めましたが、大谷川放水路の両岸約5,000メートルに千本桜が花開くときは、もうちかくまできております。

小川忠孝さん、有り難うございました。
※小川忠孝氏からの千本桜は大谷川放水路ばかりでなく東名高速道路の南側・北側の堤にも植えられております。


著書「未来へ、人へ、心へ、」より

メニュー画面に戻る

Copyright(C) Toshihiro Ito. All rights reserved.