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■ 大谷土地区画整理
「大谷川放水路」受入れの条件は、当然受入れる側の安全を期することが、行政の義務です。その安全を期するために実施しようとするのが、大谷川放水路河口周辺に密集している西大家の居住地区と低地帯(海抜4〜5メートル)を含む東大谷の居住地区を会わせた約38.8へクタールの土地区画整理であります。
「土地区画整理」と「大谷川放水路」は、どちらも公共事業であります。
しかし、大谷の安全を期するためにやろうとしているのが「土地区画整理」であるだけに、「区画整理」の条件としては、過去の一般的な公共事業の土地区画整理とは違い、前例にない平均減歩率を約15%台というところまで行政に漕ぎつけさせた大谷川対策委員会の努力に敬意を表す次第です。
このように、減歩率を平均約15%台までに漕ぎつけた大谷川対策委員会の努力もさることながら、その要因は「大谷川放水路」用地に係わる地権者の団結の絆が、用地回収の調印まで守り抜かれたことと、買収用地に係わる地権者と係わらない人たちが一体になって土地区画整理の見通しが具体化されるまで、がんばってきたことも平均減歩率に大きく寄与しているのです。
その経過のひとつを具体的にお話しいたしますと、大谷川放水路工事について地元の了解を得る間、県・市職員は大谷の人たちからは鍬や鎌を振り上げ追いかけられて命カラガラ逃げ回ったことにつけ加え、この当時は静岡県や静岡市と書いてある公用車で大谷にいくことは、大変危険であるから、もし他の公用で行く必要があるときには、無印の乗用車で「大谷川放水路」とは一切関係がないようにしていくことと、上司から注意されていたようであります。
一方、地元側は、反対の意志を表す砦として見張り小屋を大谷川放水路予定地(片山)に置いていたことや、もし県・市が強行手段の構えをみせたときには透かさず行政訴訟裁判の手続きをとるために、弁護士費用として役員の有志が一人=100万円づつ出しあい、計1,000万円を農協大谷支所に預託されていたことを知る人は数少ないでしょう。
「土地区画整理計画」の目処がついたのを機に、この預託も必要なくなり、各々の預託者に元金のみ返金し、預金利息は大谷川対策委員会の活動資金に提供されているのです。
不動産公園の建設は、都市計画上の公園として東大谷の多くのみなさんに喜ばれ利用されており、その意義は大変高いと評価をいただいてます。
しかし、不動産公園(約7,300平方メートル)の建設は、旧大谷村の遺産であった東大谷町内会用地の処分(=この用地費の一部で、東大谷公民館を建設。)の利益よりも、近い将来に土地区画整理が計画実施される時、大きな利益として地元に還元されることを目的としていたからであります。
土地区画整理では、3%の公園用地が必要とされております。
しかし、不動産公園の約7,300平方メートルを3%の公園用地から差引くことになりますから、土地区画整理完成後に予想されるのであろう坪当たり100万円(=平方メートル当たり約30万円)に換算すれば、約12億9,000万円相当分が土地区画整理受益者に減歩率の緩和となるはずです。
以上の経過については、東大谷・西大家の役員さんから皆さんに、既に報告されていることでありますが、大谷の「土地区画整理」経過報告の記録として明記しておきます。
※現在の不動産公園は約7,300平方メートルですが、八坂神社の境内地約3,700平方メートルを市が借地契約して、合計約11,000平方メートルの近隣公園に整備する計画がすすめられております(但し、土地区画整理区域内には、八坂神社借地の約3,700平方メートルは入れることは出来ません。)
■ 土地区画整理促進への提言
大谷土地区画整理の誕生は、他の地域の公共事業や組合施行で実施されてきた一般的な土地区画整理の発想とは異にすることを、よくご理解いただいていることと思います。この大谷の土地区画整理手法は「根茎」手法と呼ばれる性格であると思います。なぜならば「大谷川放水路」の [根] が地中から目いっぱいの養分を吸い上げ、その吸い上げられた養分が [茎] を太くし、枝葉をのばしていくのが、すなわち大谷の「土地区画整理」であるはずです。ですから「大谷川放水路」と「土地区画整理」は一本の根と茎なのです。
しかし、ここで誤った判断をしてはならない基本的な問題は、根と茎は一本でつながっていても、根と茎の性格が違うように「大谷川放水路」と「土地区画整理」は性格が違うことであります。「大谷川放水路」は基本的には住民のための直接的利益につながらないが、社会的・政治的な公共性の強い性格の持ち主であるだけに、それを受ける側の大谷は、当然行政より優位な立場で発言してまいりました。
反面「土地区画整理」は大谷の安全を期することを前提とする発想とはいえ、基本的には東大谷・西大家の直接的利益につながることであります。
この性格の違いを基本理念として、今後の土地区画整理事業の推進を図らなければなりません。それだけに,審議委員の責任は大変重く、この千載一遇のチャンスをグローバルな将来計画に結びつけると共にここの利害が生じる土地区画整理の宿命は、強調と妥協の接点を求め、住民同志の意思の確認を大切にしなければ、この大事業は頓挫することになりかねません。イラク問題をはじめ、激しい世界情勢の中で、石油問題や米の自由化等、いつ冬の時代が来るのかと将来の不安が指摘されようとしているとき、我が国の公共予算が反映される今こそ、推進させなければと強く望む次第です。
■ 旧大谷川の流れを変える
現在の旧大谷川は、東大谷と西大谷の境(大谷バス停)を分水嶺として、東大谷は中平松の河口へ、西大谷は大谷川放水路へと東・西に分流させているのです。
東大谷側では「港」地区の地盤が低いことから、旧大谷川からの排水路を直接、海に流出させるバイパスを建設したのです。
しかし、西大谷地域では、大谷川放水路の水門からの溢水をその地域の住民達たちは一番心配しているのです。
従来から指摘されていた排水ポンプの設置だけで、小手先的な問題解決を図るのではなく、根本的に治水の安全を考えなければなりません。
それには、大谷川対策委員会委員長の長島顕氏が指摘されているように、安全を期するための大きな事業として、旧大谷川の流れを変えることであります。
西大谷地域の大谷川放水路への水門を遮断し、昭和17年の大谷川改修工事以前の姿のように西大谷〜東大谷〜中平松河口の元の流れに戻すことであります。
しかし、この流れを変えることによって「川下」にあたる西平松・中平松地域の安全を考えることが先決であり、又重要なことであります。
中平松河口の河口流出量を増水させないためには、東大谷の「港」地域に建設した排水路バイパスをもう一本、西大谷地区にも建設することによって解決を図るべきではないでしょうか。
従来の水門にポンプを設置することと比較をすれば、確かに膨大な事業費が必要となります。
しかし、将来の安全を期する大谷土地区画整理の最も大切なことのひとつには、旧大谷川の流れを変えることも重要な課題であると思います。
※大谷川放水路の上流に向かって、旧大谷川からの排水口が設置されていること自体、治水に対する基本的な問題があると思います。
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